聴力の低下は30代から。
聴力は個人差はありますが、30歳代より徐々に衰えが見えはじめ、加齢により聴力が衰えていきます。
特に、高音域から徐々に低下していくのが一般的で『あ・い・う・え・お』といった、周波数の低い母音を聞き取る力はそれほど低下しないので、自分ではあまり聞こえにくいという感じがしないのです。
『声は聞こえていても、何を言っているのかわからない』ということがあるのも、音の高低や区切りが判断しにくくなっている状態、つまり、母音に比べ周波数の高い子音を聞き取りにくくなっていることから起きる現象だといわれています。
- 補聴器は、音の『増幅器』です。
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補聴器はマイクに入った音を増幅器で大きくして、レシーバー(スピーカー)から音を出して耳に伝えています。
しかし補聴器からいくら音を大きくしても、それが何の音なのかを識別するのは脳であり、脳に音を伝える聴神経が機能しなければ、音の識別はできません。聴こえにくい音を『聴こうとする気持ち』をもち、補聴器の装用練習と慣らしにより休んでいた聴神経を目覚めさせることで、少しでも聴きやすくすることが大切です。
耳のしくみと難聴の種類
難聴の種類
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- 伝音難聴
- 音を伝える部分(外耳や中耳)に原因があります。中耳炎や鼓膜の損傷、耳あかづまりなどが主な原因です。医学的治療が可能とされています。
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- 感音難聴
- 音を感じる部分(内耳や聴神経)に原因があります。加齢や病気、長期間の騒音影響などが主な原因です。医学的治療が難しいとされています。
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- 混合性難聴
- 伝音難聴と感音難聴の両方の症状を合わせもっています。どちらの部分の原因がより大きいかによって、その症状は人によってさまざまです。
耳の構造と働き
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外耳
『耳介』と『外耳道』からなる部分。音を集めて方向感を得る役割
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中耳
鼓膜の奥の部分。外耳で集めた音を、増幅してさらに奥へ伝える役割
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内耳
中耳の奥にあり、脳に音を伝える部分。
『蝸牛』と呼ばれる所で音を電気信号に変換し脳に伝える